「ヒロトってさ、モテそうだよね」
「…どうしたんだい、急に」
「だってさ、ヒロトってかっこいいし、頭いいし、サッカー上手いし、気遣いできるし、ヒロトに惚れない女の子なんているの?って感じ」
「そんなこと、ないよ」
「そんなことあるの。だってヒロト優しいもん!」
「優しくなんかないさ」
「えー、でもさ、ヒロトと買い物行くと絶対に重い方の荷物持ってくれるでしょ、それから車道側歩いてくれるでしょ、朝起きるのが遅い私を待って一緒に学校行ってくれるし、勉強わかんないとこ教えてくれるし、転びそうになるといつも助けてくれるし、私が怖い映画見て寝れなくなった時も、晴矢と風介には「バーカ」って言われただけだったのにヒロトは私が寝付けるまで一緒に寝てくれたし、それから治とかは私がくっつくと「うっとおしい」って言うのにヒロトはいつまで私が抱きついてても怒んないよね。私が失恋して泣いてた時も慰めてくれて嬉しかったよ。私が悲しいとき励ましてくれるし、瞳子姉さんに怒られてると庇ってくれるし、たまにおやつ分けてくれるし、あとね、この間私が風邪で寝込んだ時に作ってくれたおかゆすっごくおいしかった!あ、それとさ、私が絵描いてるとリュウジが「下手」って言って笑うんだよ!ひどいよね。でもヒロトは笑わないでくれるし、私ヒロト大好きだよ! あー、ヒロトに愛される女の子は幸せだろうね。 そうだ!ねぇ、ヒロトは好きな子とかいないの?あ、もしかして玲名ちゃんとか!?ねー、教えて!!」
「…はーあ。どうして気付かないかなぁ、ほんと。」
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