「うーん、もう少しだけ背が高くなりたいなあ」 「急にどうかしましたか? なまえさん、それほど小さいとも思いませんけど」 「うん、でも、竜持くんの方がずっと大きいじゃない」 「はあ、まあ」 「もし竜持くんと同じくらいの背になれば、いつでもキスできるなーって思ったの」 「…………そんなことですか……」 「そんなことってなによう。だって、今のままじゃ竜持くんがかがんでくれなきゃいけないから、竜持くんがいやなときはできないじゃない」 「……ぼくとしてはこのままの方が都合がいいですね」 「どうして? ……えっなに? どうしてわたしの頭の上に顔を乗せるの? これ、地味にいたいんだけど……」 「こんな顔、あなたにはとても見せられませんから」
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