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#29
「俺さ、惚れてる奴がいんだよ。……つっても、俺なんか天パだしマダオだし……全く相手にされてねェんだ」
酒に酔って秘密とやらを話してくれた、並んで座るカウンター席の隣。お前は魅力のある男だから心配するなと言いたい。マダオなのは今更だし、天パだってフワフワくるくるしてて触り心地良さそうじゃねーか。触ったことはねェけど、きっとそうだ。
「誘ってみろよ、本気なら。相手の予定聞いて」
「それって……アレか? その……デートとか、するってこと?」
「そっ、そうだよ……テメェなら大丈夫だろ。ふざけねェで、ちゃんと真面目に誘うんだぞ」
俺に出来るのは精一杯の応援だった。誤魔化す為に酒を煽る。こうなりゃ景気づけだと俺があと一押ししてやるよりも早く、分かったと万事屋は頷いた。真剣な顔で俺の手を握り、瞳を煌めかせると
「土方、次の非番っていつ?」
2019/04/19 22:39