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#11
いつも通りの日。
道で出会い頭に難癖付け合ってたら、怒鳴り返してくる筈の土方の野郎が不意に黙り込んだ。
「なんですかァ? 反省したのか。そうだよ? 大人しく俺に道を譲ればこんな事にゃあならなかったんだよ土方くぅん。バーカバーカ」
「あァん? バカって言う方がバカなんだよバーカ」
「じゃあ何だよ、急にしおらしくなりやがって」
「何でもねェ。ただ……テメェと下らねェ喧嘩してると、仕事の疲れもムカついてた事もどうでも良くなるのがな」
何でだろう、と思って。
……ばばばバカヤロウ、そんな純粋に不思議そうな目で俺を見るんじゃねーよ!
今度は俺の方が黙りこんだ。
2017/08/19 00:05