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#15 - 左銃



「赤レンガ倉庫で期間限定の展示があるんだよ。左馬刻も一緒に来ねぇ?」
 ソファで煙草を吸いながらすっかり寛いでいる左馬刻の肩に触れた。
「はぁぁ?んだよ、今から出掛けんのか?寒ぃじゃねーかよ」
 眉間にぎゅっと皺を寄せる。左馬刻の舎弟がこの場にいたら、今の不機嫌そうな若頭の顔だけで怯えそうだ。言われた通り窓の外は冬のせいで既に薄暗く、しかも寒い。
 左馬刻は俺と違って流行のゲームに対する興味も、アンティークに対しての造詣の深さも全くない。最初はそんな趣味の合わない奴と付き合っていけるか不安だったし、周りの……俺たちのことを知っている奴らからは心配されることが多い。でもその心配は不要だ。
「おい銃兎、行かねぇのか」
左馬刻が上着を羽織りながら言った。いつの間にか俺のコートまで引っ張り出している。
「銃兎お前、ンでニヤニヤしてんだよ」
「いえ、なんでもありませんよ。……お前のこと好きだと思ってな」
「ハ、今更かよ。そのまま惚れとけや」

2021/06/02 21:02
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