Top >> Diary



Diary 

#5 - ヨコハマ銃受



 気に入ってんだよと言われたのは不意打ちだった。面食らう。徹夜明けの疲れた頭では意図が読めなくて「ああ……ここの四川料理、美味いもんな」とだけ返事すると、じっとりと呆れたような目で見据えられた。
「銃兎……小官と左馬刻は愛を告白しようとしたのだが」
「ぶっ、ゲホッゲホッ……へ? 理鶯…?」
「どうやらゲリラ作戦は失敗らしい。敗因は空腹か……?」
「だからフラれるって言ったじゃねぇか。麻婆豆腐に告白してると思ってやがるんだから世話ねぇわ」

 すこぶる顔の良い二人が真剣に話し合い始めたせいで心音が煩く波長を乱す。理鶯やめろ、そんな悲しい目をするな。左馬刻も頭の双葉が心なしかしょげているような。違うぞフったつもりはなかったんだ。俺だってお前らのことが大好きだよ。大好きな二人と一緒にいると、無能な奴らのせいで摩耗した心身が癒されるのを感じる。でも中華屋で話すのをやめてくれ。入った時、店主に爽やかに挨拶しちまったのが逆にクる。顔が熱いのは辛かったからと誤魔化せるだろうか。

2021/02/20 07:34
×
「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -