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R35な銀土



「今ならすげぇエロいキス出来そうな気がするわ。R35くらいの」
「ハ、何だそりゃ。流石に引く…つかまだ35じゃねぇし」
「そーだな。だったら35になるまでとっとくか」
「……ああ」
「…どうした銃兎、間抜けなツラして。いやいつも通りか」
「どういう意味だ。……いやまあ、なんとなく、な。お前まだ25だろ。あと10年あるぜ?」
「それが何だよ」
「その頃にゃ俺と一緒にいないかもな。D.R.B優勝して、中央区ぶっ倒して……左馬刻は合歓ねむちゃんと暮らしてよ。軍が復活したら、理鶯だって」
「俺らにウサギは必要なくなって、Lonely Only Rabbitになりますってか?ざけんじゃねぇぞ」
「んだよ、有り得る話だろうが。こちとら覚悟できてんだよ」
「クソほどいらねぇわンな覚悟。いいか銃兎、お前は俺様のモンだ。俺様が選んだ男なんだから、ずっと俺様の横に居ろや。勝手に居なくなったら許さねぇ」
「……ふ、ははは」
 世間一般から見ればヤクザと警察なんていかにも裏切りがありそうな、後ろ暗い関係の自分達が、なんてことないようにそんな先の話をしていることが嬉しくて、少しだけ胸が詰まった。左馬刻の瞳がサイレンみたいな色を宿している。それは職業柄、俺に馴染みのある警告色ではあるが、いくら警告されたって無駄だ。リスクを取るのは俺の自由。サイレン味方につけてライムするのが俺のラップスタイルなんだから。金と力と権力と、全部手にしたヨコハマの王様に『すげぇエロいキス』されたいなんて、イカれた野望すぎて笑えてくる。
「さぞかしイイ男になってんじゃねぇか、お前」
「……てめぇの目で確かめてみろよ。どうせ地獄まで道連れだ」

2021/02/16 02:17
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