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#2 - 左銃



 銃兎が夜中に「駆け落ちしたい」とか言い出すから、二人で郊外までドライブに出ることにした。いつもより澄んで見える夜空の下、自販機の缶コーヒーで乾杯。一口飲んで苦笑。
「左馬刻のコーヒーには勝てませんね」
「俺様の腕はプロ並みだからなぁ」
 自慢したら、お前が作ったもんはいつでも何だって美味いだろと何の含みもなく言いやがる。
「駆け落ちしたい、なんてよぉ。イロにも言われたことねぇぞ」
「……俺もたまには左馬刻サマを振り回してやりたくてな」
 マジかこの鈍感ウサギ、そろそろ気づけよ。それから暫く他愛もない話をしていたら、すっかり気が済んだらしい。おう、帰ろうぜ。あ?俺様だってクソ寒いっつの。ここで見る朝焼けもさぞかし綺麗なんだろうが、ヨコハマの街で眺めるくらいが俺らには丁度良い。

2021/02/06 03:34
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テーマ「人外ファンタジー」
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