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#49



 真選組で副長を務めている坂田銀時。彼の煌めいた瞳に恋したのだと言う町娘に依頼され、万事屋である土方は坂田に向けた恋文を綴る事になってしまった。
 坂田銀時の好きなところを書いた後、嫌いなのは性格の悪いところ、甘党すぎるところ、女好きなところ……いやこんなところまで書いたら悪口になっちまうな。書き直すか。今度は奥ゆかしい調子で、良いところだけを褒めそやして書き、依頼主の町娘に渡した。
 翌日は依頼もないからと昼寝していたところ、隊服姿の坂田がいつの間にか万事屋に勝手に来ていて、おはよう土方くん。聞いてくんない? 銀さん恋文を貰ったんだよ。
曰く「俺のことよく見てくれてて一途なのが伝わった」。
 坂田は随分と嬉しそうで、これは告白成功だろうと確信する。そりゃそうだろうな、だって俺も同じ相手に惚れてるんだから。内心で苦笑した。
「良かったじゃねーか。ちゃんと返事してやれよ」
「するする! でもよォ、どうせならグシャグシャに丸めてないやつが欲しいんだけど」
──見せられたその恋文は、良いところも悪いところも、好きなところも嫌いなところも綴られている、書き損じた筈の。

2020/10/19 18:18
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テーマ「人外ファンタジー」
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