さようならば、お狐様。

月夜に七人の子供が歩いておりました。大きい子供も小さいことももまじっておりました。

狐につかれるというのはどんなことかしらん。文六ちゃんの中に狐がはいることだろうか。文六ちゃんの姿や形はそのままでいて、心は狐になってしまうことだろうか。

おなじ月夜で、おなじ野中の道では、誰でもおなじようなことを考えるものです。そこでみんなの足はしぜんにはやくなりました。

狐 - 新美南吉青空文庫より
Title byすいせい
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