これの続き



「では早速、結婚を祝して……乾杯!!」
「乾杯。結婚おめでとう」
「ありがとうございます!二人ともお忙しいのに、わざわざすみません……」
「何言ってるの!大事な後輩のお祝いごとだもの」
「当然、酒をたらふく飲むに決まってるだろう」
「硝子、本音が出てるわよ……」
「あはは!今日はとことん飲みましょうね、歌姫さんも!」
「ええいただくわ。……あら、この日本酒は持ってきてくれたの?」
「おーすごく良いお酒じゃないか」
「はい、頂き物なんですけど……七海がせっかくだから持っていけって」
「ックゥ〜〜最高の旦那じゃない!!よろしく伝えておいてね!」
「本当、お似合いの二人が無事結婚してくれてよかったよかった(酒瓶を撫でながら)」
「えへへ、七海にも伝えておきますね。さぁ飲みましょう飲みましょう!」

小一時間後

「でも、付き合ってからもう三年か……長いような短いような」
「高専時代から一緒ではあったんだから、付き合い自体は十年以上経つわよね?」
「はい。そう考えると長かったかも……」
「私たちも歳を取ったよ」
「ですね」
「……まだあなたたちは二十代だからいいわよ。私なんてもう今年三十一よ?アラサーどころかサーよ?」
「早くも歌姫センパイの酒が回ってきたな」
「呪術師なんて、同業者同士でくっつくのが一番手っ取り早いことは分かりきってるじゃない?でも私の周りにいる男ときたら……クズにバカに老害ばっかり……どうしろっていうのよ!!!!」
「ああ、ついに歌姫さんが学長を老害呼ばわり……」
「まーいいじゃないか。二人で独身貴族を謳歌しましょ、歌姫センパイ」
「硝子ーー!!!私にはアナタしかいない!!!昔っからね!!!!!」
「(今のうちに酒を水に替えておこう…)」
「しかし……七海とは高専時代から一緒だったんだろう。どうして今更付き合うことになったんだ?」
「あ、それは私も気になってた!なんでなんで?」
「ええ?な……なんででしょう…?」
「それを聞いてるんだが」
「何かキッカケがあったの!?というか、そもそも高専時代から好きだったの!?」
「歌姫センパイ声デカい」
「あ〜、高専時代はそういう対象として見てませんでしたね…そんな余裕が無かったというか。ほら、私の代は二年の時に一人亡くしているので特に」
「ああ、灰原くんか……」
「……あれ、私もしかして余計なこと聞いた?」
「イエス」
「うっごめんなさい……この中で一番歳上なのに気遣いさえできずごめんなさい……」
「ちょ、私は気にしてないですから泣かないで!そして硝子さんもからかわないで!」
「遮ってすまない、続けて」
「グスン……どうぞ」
「……そのあと高専卒業したら七海は早々に術師やめちゃうし、私は私で忙しい日々を送っていたわけですが、三年前に復帰後の七海と偶然同じ任務について……その後食事に誘われたりよく会うようになるうちに……その、好きになって……」
「「へぇ〜〜〜」」
「あーもー!!二人ともニヤニヤしないでくださいよ!!」
「いや……ねぇ?」
「キミんとこの惚気は微笑ましくていいな」
「だーーっ恥ずかしい!!酒!!もっと酒をください!!!!」
「お、いい飲みっぷりだ。今度私の行きつけの店にも連れていってあげよう」
「ぜひ!!」
「おっしゃー!!庵歌姫、二人の幸せを願ってイッキ飲みしまーーす!!!!」
「「ヨッ歌姫センパイ日本一〜!(今持ってるそれは水だけどな(ですけどね))」」


(七海)
(……家入さん。ご無沙汰してます)
(この前は酒をどうもありがとう。美味かったよ)
(ああ、こちらこそ随分お世話になったようで)
(キミは良い嫁を貰ったな)
(……ええまぁ……お陰様で)
(ふふ。キミのそんな顔、初めて見たぞ)
(……あまりからかわないでください)
(また今度、奥さん借りるからヨロシク)
(はあ……飲ませすぎないでくださいよ)
(努力するよ)


ーーーーーー
最後さりげなく「奥さん」と言われて内心嬉しい七海と、それを分かって言ってる硝子さん


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