高専時代の七海と灰原と同級生



「この少人数で体育祭って、何をするのかと思えば……」
「徒競走に綱引きに二人三脚に、とにかく普通の体育祭だったな!!全種目全員参加だったけど!!」
「ウゥ明日絶対に全身筋肉痛だって……ほら七海、最後の種目行くよ」
「……最後……」
「ははっ!七海、この前祓った呪霊みたいな顔になってるよ!」
「灰原!!これ以上七海のやる気を削ぐようなこと言わないで!!」
「……最後は何でしたっけ」
「「学年対抗リレー」」
「この人数で……?」
「うん。学年によって人数バラバラなのに鬼畜だよね」
「僕たちのところは三人いるからまだマシじゃないかな!」
「いや三人が最低条件でしょう……五条さんたちも三人だし」
「学年が上がるごとに人数減るんだよねぇ」
「世知辛いよな!」
「……」
「あ、ちなみにアンカーは七海だから」
「は?」
「スタートは私、中継ぎは灰原で、最後は七海」
「な、なんで……灰原の方が足速いだろ!」
「あーゴメン七海、僕体力ないからさ」
「アンカーが一番走る距離長いんだよ」
「なおさら嫌だわ!」
「嫌がるあまり七海の口調が変わっている……」
「そんなこと言うなって七海〜長距離は得意だろ?」
「長距離って……一体どれくらい走るんですか」
「知らない」
「…………は?」
「アンカーは学長がストップかけるまで走り続けるんだってさ!」
「鬼の所業だよね」
「………フフ」
「な、七海……?」
「こうなったらとことんやってやりますよ………日頃の恨みを晴らしてやる…………」
「?よく分かんないけどその意気だ七海!!」
「(たぶん五条先輩のこと言ってるんだろうけど、二年のアンカーは夏油先輩だろうな……)」
「出だしでしくじったらタダじゃおきませんからね」
「あーうん、任せて!(どうか家入先輩が手を抜きますように)」
「灰原も、死ぬ気で走らなければ殺す」
「僕に対して厳しくない?」
「アンカー押しつけられたんだから当然でしょう」
「あ!そろそろ始まるみたい」
「よーっし!気張っていくぞー!!」
「……先に言っときますけど」
「ん?」
「どうした?」
「途中でへばっても知りませんからね」
「……」
「……」
「……何二人してニヤついてるんですか」
「そうなったら、二人で併走して七海を応援しようって決めてたから」
「『フレ!フレ!七海!』って隣で叫んでやるよ!!七海がゴールするまで!!」
「……(死んでも走りきろう)」


(七海〜……生きてる?)
(…………死んでます)
(おつかれさま)
(リレーというか、ゴールの見えないマラソンだったな!)
(学長、全員が倒れるまでストップかける気なかったもんね)
(……すみませんでした、応援してもらったのに)
(ええ?あんなの無理に決まってるじゃん)
(七海はよく頑張ったよ!僕たち、一年生なのに銅メダルだって!)
(三学年しか出てないんですから……それって最下位でしょう……)
(あはは、でもケッコー楽しかったね)
(な!今から来年が楽しみだ)
(アナタたちは鬼ですか……)
(まあ、何はともあれ)
(おつかれ!!七海!!)
(………ふ、ありがとうございます)


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