あいしてると言ってみた


@五条と生徒

「あいしてる」
「ん?何で目逸らすの?」
「……そりゃ恥ずかしいからに決まってるでしょ」
「恥ずかしくなんてないなーい!ほら、こっち向いてみな?」
「い、や、だ、っ!」
「(顔つっぱねるだけで逃げないんだからよく分かんないよねぇ)」
「…………ん?」
「隙ありっ」
「うぐ!……か、顔近い、近いよせんせ」
「僕にもちゃんと言わせてよ。あいしてる」
「……うっ……」
「え、泣いた?何で!?」
「あ〜悟が女子生徒泣かしてるゥ〜」
「タイホだタイホ。学長呼んでこい」
「しゃけ」
「あっコラ通りすがりの二年、それはマジでシャレにならんからやめて!!!!!……もー何で泣くの」
「だって……先生はいっつも私のこと子供扱いする」
「まーまだ子供だからね」
「先生は子供に手出さないじゃん」
「……は?何、僕に手出されたいの?」
「うん」
「あー………………うん、それはまだ。僕は生徒に手出さないから。(アブネーアブネーうっかりキスするところだった)」
「ちぇー」
「……卒業まで待てるかなぁ」
「え?」
「んーん!僕のためにも、早く立派な大人になってね」



A七海と同期

「あいしてる」
「ハァ……」
「まっまさかのため息……!?」
「何かの罰ゲームですか」
「へ」
「ああ五条さんですか?まったくあの人は、いつも子供みたいなことをして……」
「えっと……違うんだけど」
「は?」
「決死の愛の告白だったんだけど」
「……」
「……」
「……マジですか?」
「マジです」
「……」
「な、七海……?」
「もう一回やり直してもらってもいいですか?」
「ええっ!?」
「少し……私の対応に不備があったので、可能であればよろしくお願いします」
「そんな取引先に言うみたいにお願いされても」
「……あ、いえ。私から言えばいいんですね」
「?」
「愛しています」
「……」
「……」
「…何かの罰ゲーム?」
「アナタ、一分も記憶が保たないんですか?」
「いや分かってるよ!?ただ、七海にもさっきの私の気持ちを味わってもらいたかっただけだよ!!」
「……それはすみませんでした。相手に信じてもらえないのは、思ってたより堪えますね」
「そうでしょう!私だって本気だったんだから!」
「ええ……」
「……」
「……」
「……マジで?」
「マジです」



B夏油と腐れ縁

「あいしてる、っと」
「……何を書いてるんだ?」
「うわあっ!?」
「はは、そんなに驚かなくても」
「傑か……突然背後に立たないでよ……」
「それ手紙?」
「ええと、遺書……」
「……」
「あーー!!そんな怖い顔しないでよ!!」
「君が馬鹿なこと言うからだろ」
「別に自殺志望とか、そういうんじゃないからね!?もしものためだって!」
「……呪術師は非術師と違って弱くないんだ。君はそう簡単に死なないさ」
「でも、いくら術式が使えたって人は簡単に死ぬってこと、傑も知ってるでしょ」
「そんなに不安なら私の呪霊を何体か側に置こうか?」
「そーいう問題じゃないってば!!」
「……内容は」
「ん?」
「遺書の内容は、どんなことを書いたんだ?」
「あ〜……言わなきゃダメ?」
「言いたくなければ別に。ただ、それは私が預かっておいてもいいかな」
「えっ」
「駄目なのか?」
「……いや……その……いいけど、私が死ぬ前に読んだら絶交だから」
「ああ」
「絶対だからね?」
「約束するよ。……私が遺書になんてさせるものか」

(この手紙を読んでいる頃、私はもうこの世にはいないでしょう)
(私が死んだら誰が一番寂しがるだろうって考えたら、なぜか傑の顔が浮かびました)
(傑はどうしようもない人でしたが、どんなになっても、どうしようもなく、私の大好きな傑だったから)
(死ぬまでも死んでからも、ずっとあいしてる)


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