恵とパパ黒の元カノ



「恵くんさ」
「……」
「もうすぐ中学校の卒業式だよねぇ」
「……」
「私、保護者として行っちゃおうかなー」
「絶対ヤメロ」
「ええー!?何でさ」
「逆に何でアンタが来るんだよ……」
「だってこの家、恵くん以外誰もいないじゃない」
「津美紀もいる」
「今は病院で寝たきりなんでしょ?」
「……」
「あは、睨まないでよ」
「……別に、誰もいなくても問題ない。たかが中学の卒業式で」
「そーなの?だってああいうの、帰りに教室で親に手紙読んで泣いたりしない?」
「したとして、俺がやると思うか」
「思いませーん」
「自分で言っといて何なんだアンタ……」
「んー。……」
「……何だよ」
「や、きっと君のお父さんが今ここにいたとしても、絶対行かなかっただろうなぁと思って」
「あんなヤツこっちから願い下げだ」
「はは、嫌われてるなぁ甚爾さん」
「……アンタもだからな」
「え?私には来てほしいって?」
「耳鼻科に行ってくれ」


(……そもそも、アンタは俺の保護者でも何でもないだろ)
(まぁ……私は恵くんの何なんだろうね?)
(……)
(……)
(……父親の愛人?)
(ブフッ!愛人て)
(じゃあ何なんだよ)
(えー、そうだなぁ……)
(……)
(……)
(……)
(うん、やっぱり愛人かな)
(今の間は何だよ)
(愛人かー……恵くん、私甚爾さんの愛人だって)
(子供の前で嬉しそうに言うな)


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