ブンッ……ブォォン……

「……な、七海ー」

ザシュッ……ギャアアア………

「あの……」

ブォンブォンッ……ズバッ……ギィエエェ……

「私の祓う呪霊が無くなってしまうんですが……」
「チンタラしてるアナタが悪いんでしょう」
「いや、到着するなり巣に突っ込んでいって群がる呪霊を片っぱしから薙ぎ払い始めた七海に言われたくないよ……」
「今回の任務対象はそうするのが一番手っ取り早かったので」
「……もしかして、怒ってる?」
「何にです?」
「私が一級推薦受けたから」
「……別に怒ってませんよ。アナタを推薦したいと思った一級術師がいて、アナタがそれを受けたいと思ったからそうしたんでしょう」
「まあ……そうだけど」
「なら好きにすればいい。……私も手加減はしませんから」
「?」
「フゥ、さっさと帰りますよ。あと五分で時間外労働になってしまう」
「……え!?もう全部祓ったの!?」
「ええ。アナタもまだ一級には程遠いですね」
「なっ……七海のイジワル!!!!!」


(今日が推薦受けて初めての任務だったのに…祓った呪霊の数がゼロなんて……)
(次回も同行者は私なので、よろしくお願いしますね)
(えっ)
(何か?)
(……いえ……よろしくお願いします……)
(準一級に上がるより前に、可能性はすべて叩き潰します)
(……今なんか言った?)
(いえ、何も)


ーーーーーー
一級に上がればそれだけ危険も増すので絶対に推薦しないしさせないと思っていたのに、別の一級呪術師が彼女を推薦したせいで彼女の準一級への昇級任務に同行することになった七海、全力で彼女の昇級を阻止するの巻。


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