一方、飛段も、デイダラとトビがこちらを見て何か言っているのに気づいていた。
(……てめえらが最初の贄かよ、上等だ……!
暁側か木の葉側か、迷ってんなら分かるようにしてやるぜ…。俺は殺戮出来りゃ何でもいいんだよ。
フフン…、きっとデイダラは馬鹿にして笑ってんだろうが、そんでも爆発ばっかやってるてめえと俺とじゃ、どっちが勝つか……、面白れえじゃねーか!)
そうして飛段は、サイの足のホルダーからクナイを取り、怪鳥めがけて投げた。
「…宣戦布告っすかねえ、先輩!……飛段は俺たちを……捨てたんすね〜(泣)?!」
トビはとぼけた声で言ったが、油断大敵だ。飛段も角都も木の葉に殺られたと聞かされたが、飛段は何故かしら蘇生させられている。面をどこかしらに着けた者とチームになっている所を見ると、暗部の配下におかれていると見ていい。
ここで出くわした以上、暁としては敵である飛段に負ける訳には行かない。
が、一滴の血が命取りになるため、安易な負傷は許されない。
「そうみてえだな…!うん!」
とデイダラ。
「…けど、飛段が呪える人数は一人。そして殺傷後祈っている間、奴はしばらく動けない。ツーマンセルの場合、一人が犠牲を払えばもう一人は助かる可能性はあるってことだが……。
そんな戦術、はなから却下だがな!
……見たところ、角都は居ねえようだから、飛段も深手を負えないはずだ。うん。」
それに、とデイダラはニヤリとして言葉を続けた。
「飛段と本気でやり合ったことは……ねえなあ……!……トビ……!勝つぞ!!うん!」
ワクワクした顔でトビを見るデイダラに、トビはハーッとため息をついて、
「暁のプライドにかけて、木の葉は蹴散らすに限るっすねえ、先輩!
でも! 目 的 を 見 失 わ な い で 先輩!!」
トビの言葉など聞こえないデイダラは、起爆粘土を左手の口で膨らました。
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