バチッ…!! と二人の視線がぶつかった。
体の奧から憎しみと同時に得体の知れない欲望が沸き上がってくるのを感じる。シカマルは一度ギュッと目を閉じ、また襲ってくる飛段とのビジョンを追い払った。

ーー服従させてやるーー!

シカマルは影寄せで飛段を拘束した。
隊長が待て、という風にサイに目配せした。

「…言え…、」

体中締め付けられた飛段の脳裏に、昨夜のシカマルの戯れ事が嫌でも蘇った。

「…ぐ…く…てめえ……首……絞め……やがって……」

「……言わねえのかよ、この期に及んで……。」

首の縛りはそのまま、シカマルは飛段の耳許に囁く。

「…もう一度、穴ん中でバラバラにして欲しいのかーー!」

飛段は訳の分からない咆哮をあげ、物凄い力で影をねじ伏せたかと思うと、シカマルに飛びかかった。

「飛段!!」

サイの墨の蛇が3匹、飛段の動きを封じようと空中に飛んだ。
隊長が飛段の目を見て、心転身をかける。

ーーー::戦意を放棄する!::ーーー

シカマルに馬乗りになっていた飛段の瞳が暗くなり、動きが止まる。
即座に蛇が飛段を締め上げた。
シカマルはサイを見たが、サイはシカマルを見なかった。

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