その日フーの隊は昼まで療養し、午後一でまた召集があるとの連絡があったので、シカマルは呆けたように眠って過ごした。
目を開けていてまた、いやなビジョンが咄嗟に飛び込んでくるのはもうたくさんだ。こんなに疲れまくっているのだ、眠ればきっと夢さえ見ないはずだ。


サイは、影分身で病棟を見舞ったが、シカマルが寝ているのを確認し、しばらく寝顔をじっと見ていたが、起きもしないシカマルを待ってずっと居るのもなんなので、静かに退散した。

本体のサイは、病棟の厨房にいた。
厨房では暗部病棟の昼食の準備が進んでいる。
サイは、あたりをつけ、物陰から小さな蜘蛛を放った。


午後。
小さな祠(ほこら)が目印の獣道ーー里のはずれに出ることのできる道の一つーーが、集合場所だった。 シカマルは飛び急いだ。誰よりも先に着きたかった。何かまた図られるのは許せない。
班の誰も、もう信じることはできない。朝寝から覚めた時に、これからは全て自分の判断しか信じないと誓った。もう、色んな意味で先手は取られたくなかった。

物音も立てずに降り立つと、あたりを確認する。
まだ誰も来ていないようだ。ふと、この獣道でよくアスマやチョウジたちと修行したことを思い出した。今、アスマを想うと涙腺が緩む気がして、シカマルは頭を振った。

と、その時、ふいにサイが姿を現した。
「シカマル。その、大丈夫かい?」
心配そうな顔で言うサイにシカマルは、ああ、と答え、まだ本調子じゃない、と数歩歩き、少しサイと距離を取った。
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