遅れて戻ってきたカカシが、治療が一番長引いているナルトの様子を見に来た。
カカシはヤマトが何か言う前に口を開いた。
「…抹殺が拘束・捕獲にすり変わった。」
「…そんな命令が?!…いつ下りたんですか?」
「処理する直前にな。暗部の管理下に置かれるそうだ、あの二人は。」
ヤマトの表情が陰った。
「暗部が二人を利用するつもりだと・・・?そんなこと、綱手様が許されるとは思えませんが。」
「だが、火影命令だった。ダンゾウに押し切られたのかも知れない。暗部が利用するといっても、そうそう上手くは行かないと、俺は踏んでるんだがね。暗部の医療班は凄腕だが…、そいつらは」
「大蛇丸ではない」
カカシの言葉に被せるように、ヤマトが事も無げにさらっと言ってのけた。
カカシはヤマトの肩をポンポンと叩き、隣に座った。
「何言ってんの、お前は。それに耐えたお前だからこそ、今の強さがある。
その力に俺もナルトも助けられてる。・・・違うか?
ナルトを待つ間、綱手様の所にお前も一緒に行ってくれ、ヤマト。」
「はい…!」と答えたヤマトが笑顔だったのでカカシはもう一度強く肩を叩いた。
(まったく世話の焼ける・・・まっ、褒めて伸ばさなきゃね、後輩も)
「治療が終わったら、ナルトたちは一楽に行くとか言ってたな。俺はちょっとシカマルを見舞ってから行くよ。」
「彼は、大丈夫でしょうかね。」
ヤマトは心配そうに言った。
「・・・頭で割り切れることも、心でどこまで割り切れるか、分からないですからね。」
「忍なら皆、そんなものを背負い込んで生きているからね。ま、じゃあまず、綱手様だ。」
カカシとヤマトは立ち上がり、木の葉病院を後にした。
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