(…!!)

耳の痛みで一瞬、シカマルは小さなほつれた意識の穴から外を見た気がした。だが、また、その穴は閉じてゆく。必死で拡げようとしたが、駄目だった。



「…グ…!」

捕縛された飛段は身を捩ったが、ギリギリと締め上げ肌に食い込む影の力が、前に食らった時よりも力強く動くことが出来なかった。

シカマルに貪るように唇を奪われ、飛段は最初、逆に噛み切る勢いで抵抗していたが、どうした訳か体に力が入らない。逆に抗うことによって何故かその行為が甘美さを増し、脳髄を刺激してゆく。

ベッドの上に押し倒され、鎖の破片が背中に傷をつけたが、それさえも影に縛られる痛みと相まって快感と化し、体中の脈を打つ間隔がドクドクと速くなっていく。大腿から腹までを締め付けられ、その赤い痕を残すほどの拘束に新たな欲求がムクムクと鎌首をもたげると、もう奴の唇を噛み切るどころか、同じように貪るのだった。
しばらくして、ツーッと涎を垂らし唇を離したシカマルが、
「…飛段……」
と囁いて馬乗りになった。その艶のある挑発的な瞳に捉えられると飛段は、腰が蕩けてしまう感覚に襲われた。
さらにシカマルの影が縛りを強めた。
「……ァ……ッ……」
たまらない。痛さが、気持ちいい。そのうち、飛段は股間が張りつめて痛いくらいなのに気づいた。影で縛っている上から、シカマルの指が執拗に、幾度も幾度もゆっくりとなぞり、勃起を促している。飛段の手は縛られていて身動きできない。もがけばもがくほど影がきつく縛ってくる。この拘束が、飛段のMっ気に拍車をかけた。
シカマルも飛段が感じているのを見てたまらなくなったのか、勃起した飛段のモノを指で扱き、とうとう覆い被さって口に含んだ。影の拘束がそこだけ緩み、膨らみを受け入れる。

「……ンッ…!!」

イイ。気持ちイイ…。早く……猛るモノが欲しい……!!……う…ァ…………早く……解き放ちてぇ……!

飛段は自由になった両手でシカマルの頭を掴んだ。シカマルの動きに腰を合わせ、感じすぎて時々呻きながら、クセで、シカマルの耳たぶに指を伸ばした。

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