(…こいつ…。なんだ、この感じ!?…)

先程とはシカマルの雰囲気が完全に変わっている。羽交い締めにされた後から奴の行動にブレがない。無機質で感情を感じない。
飛段は、シカマルの目を見ると、体の奥がザワザワと沸き立ってくる気がした。覚えのない事実や、それに付随する快感を、奴の冷たい肌に触れた時を、よがる声を、フラッシュバックする映像と共に確かに感じたのだ。
飛段は忌々しそうに、鎖をジャラッと鳴らしてそれを打ち消した。
そしてシカマルが動くより早くベッドから飛びずさって、先程切られた鎖の一つを奴の喉元めがけて投げつけた。

(…乗っ取りか、幻術か…?!)

いずれにしてもどこかに術者がいるはずだ。投げながら、操る者を探す。幻術だとすれば、イタチと同じ写輪眼の術だろうか。だが、あの眼を持つカカシは任務中のはず。では、ダンゾウか…?
空を切って襲いかかる鎖をすんでの所で避け、シカマルは宙を舞って着地した。
すばやく体勢を建て直し印を発動したシカマルの影が、鞭のようにしなった。パシッと床を叩くと飛段を捕獲すべく、とぐろを巻く。
幻術をかけられた者が出来る動きではない。正確に標的を見定めている。
(幻術じゃねえ。)
そう飛段は悟った。

「……観念しろ……木ノ葉の為だ……」

シカマルの言葉に飛段は、切れた鎖の欠片を振りかざすと、思い切り飛ばした。シカマルの耳朶をかすった鎖が血潮に染まり、その鎖がドライブして部屋の灯りを破壊した。血だらけの耳許をバッと押さえ、それでもシカマルは影を寄せて飛段を捕縛した。

「飛段…」

そう言うと、シカマルはギュッと飛段を締め上げ、飛段の唇を奪った。

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