シカマルは、気が変わらない内に鎖を影縫いで切った。
ガチャン、ジャララッ、と床に落ちた鎖の音が響く。
飛段は、サンキュー、クッソ木ノ葉…、とぼやきながら傷口から虫をむしり取ると、床に叩きつけた。関節をポキポキ鳴らして、体の自由を確かめる。

不意に、シカマルは後ろから羽交い締めにされた。
――油断した…!…罠か?!……――
次の瞬間、
<ポーゥ…!>
聞き覚えのある音が頭に響き、シカマルは咄嗟に二本、指を立てたが、それが効くより早く、体が動かなくなる。
(…やられた…!)
避けるタイミングを逸した。
心転身に閉じ込められる。針の穴ほどの意識の隙間から、もう一度、無駄と知りながら自分に呼びかけた。

『…心転身、解!』

効かない。シカマルは、体を乗っ取られ意識の淵に倒れ込んだ。




ゆっくりと、シカマルは飛段のベッドに近づき、ドアにいる見張りの忍に、こう言った。

「……後はやる……外に出ていろ……」

それを聞いて飛段は怪訝な顔をした。見張りの者が頭を下げて姿を消すまでに、飛段は辺りを見回し、退路を模索した。

シカマルの影が、スウッと伸びてドアをロックする。

「何する気だ、てめえ……。」

ベッドから下り、鎖を片手に持った飛段が見たシカマルの目は、暗闇で怪しい光を宿していた。

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