「…だから、貴方の体を調べた結果を言っているだけなんですよ、…」
若い医師は、ある一点に飛段が何度も食い下がるので、伝えるんじゃなかった、といった困惑顔で辟易と答えた。ここは暗部病棟、飛段の病室だ。

「……調べてくれと頼んだ覚えはねえ。俺にはそんな記憶はねえぜ。
で、奴はそれ、知ってんのか?」

「…彼はチャクラを使いすぎて、生死の境にいましたからね…。こちらもはっきり確認してはいません。しかし彼の体を洗浄した時、射精の跡がありました。そして貴方の手と口からも同じものが検出されました。
僕に…言わせたいんですか?…貴方が、その……彼のをどうしたとか……。もういいでしょう、そんなこともあります、忍の世界なら。」

逃げるように医師は病室から出て行った。前任の医師が飛段に惨殺されたのを知っていて、二の舞を恐れているのだろう。

飛段はしかめ面をした。
確かにシカマルをからかった記憶はある。だが、奴のをしゃぶったなどと、…そこだけは、全然覚えていないのだ。

…俺にかかってる禁術、のせいなのか?

蛙が来た時に気を失った、その後の記憶がはっきりしない。シカマルに突き飛ばされて、逆に奴を千本で打ち抜いた後から今までの記憶は鮮明にあるのに。

飛段はよく分からないイラつきを感じて、髪をかき上げた。
不意に、シカマルの苦しそうな、懇願するような顔が頭に浮かび、飛段は自分を疑った。
見たことがあったのだ。まるで、動画を再生しているかのように、奴の口から、切なそうな声が漏れるのを、奴の手が、自分の銀髪をギュッと掴み、腰を振って応えるのを感じる。ああ、……んアア、と体の奥にぐっと響くあの声が、今、耳に聞こえた気がする。

(……何なんだ一体!!)
飛段はイラついてベッドから降りた。知らず知らず、勃ってきたのがまた、気に食わない。もう、自分の体が自分だけの感覚でないことが、飛段には許せなかった。

病室を出て、廊下を進むと、隣の病室に誰かが入るのが見えた。サイだった。
ということは、隣にはシカマルが居るのだろう。
飛段は、シカマルのことになるとアドレナリンが放出される自分に嫌気がさして、トイレに走った。
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