飛段が舌を止めた。そして顔を上げ、相変わらず凄みのある目でシカマルを睨んだ。何も言わない。ただ、明らかに怒ったような態度で、乱暴にシカマルの右手の紐を外しにかかった。相変わらず黙ったままだ。煩く喋る奴だった筈なのに、どうしたのだろう。そして何故、右手を解放するのだろう。

……リミットが来たのか!?殺せるくらいの時間が経ったのか?だとすれば殺られる前に殺らなければ!!
右手の自由が戻るこんなチャンスを、生かさない手はない。きつくめちゃくちゃに縛られていたせいで鬱血した右手に、ブアッと暖かい血が流れ込む。ジンジンしてうざったいが、それでも、
――印が、組める…!――
いつまでもこんな辱しめに屈するものか。シカマルは飛段がちょっと横を向いた隙に飛段を突き飛ばし、あらわになった自身をズボンをずり上げて収めた。
そしてすかさずババッと印を組み、影首縛りを発動した。
多分、長くは縛れない。けれど、これが今できる最善の策だった。

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