「……んッ……ァッ……フ…ッ…」
シカマルの根元を飲み込むように動いていた飛段の顎と舌が、少しゆっくりと焦らすように舐める戦法に出た。岩の上で、自分の白い脚の間に飛段が乗り掛かって動いているのが見えるが、それが現実だとは認めたくなかった。ただ、感覚はやはりリアルに良すぎて、その体勢で焦らされるのが苦しく、シカマルはハァッ…ハアッと肩で息をした。そして、いつの間にか飛段の頭に伸ばしていた 自身の左手が目に入り、驚いてバッと外した。
知らず知らず引き寄せていた?この男に身を委ねたのか?

(アス…マ……。…俺は……どうかしちまってる………!)

担当上忍のアスマとは、中忍になってから関係を持った。憧れだったし、アスマが紅といい関係にあるのも薄々感づいていたが、確か将棋を差して玉の話をしていたあの晩に…お互い気づいたのだ。かけがえのない存在だということに。
それからは、紅には出来ない刺激的なコトを二人で分かち合う、そんな逢瀬にどっぷり浸かり愛し合った。最高だった。アスマは自分を丸ごと愛してくれたし、彼がバイであろうが、もっと奥で繋がっている確信のあるシカマルは一向に構わなかった。

そんなアスマが逝って、生の感覚を墓前に置き忘れていたはずなのに。うちひしがれ、泣いて、喪に服す胸中には復讐の焔が渦巻いていたというのに。その仇の執拗な攻めにあって喘いでいるなど、決してあってはならない。
飛段に対する憎悪はつのり、恐ろしく恥ずかしいのに、拒否することが自分の選択肢に無いのは何故なのか。
シカマルは自分が信じられなかった。


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