シカマルは執拗に迫ってくる飛段に頭突きを食らわせ、必死で逃げ道を見出だそうともがいていた。飛段が、ってえなあー、とイラついた声を発する。
(…血を舐めてから陣形に入り自分を傷つければ呪いは発動する………けど、それにタイムリミットはあるのか??!例えば舐めてから一定時間内に陣形に行けない場合は発動しないとか?!……つーか、なかなか離れて行かねえな、こいつ………やっぱ……陣形は無えのか……?)
そう思った時、
「ンッ…!」
頭に痛みが走った。飛段がシカマルの髷をガッと引っぱり、顎を上げさせたのだ。体を押さえられている以上、やはり主導権は飛段にある。それでも両腕を後ろ手に組もうと躍起になっているシカマルを、飛段は馬鹿にしたような顔で見ていたが、いきなり強引にのしかかり、唇を重ね舌を入れて来た。シカマルが首を振って膝で飛段の太股を蹴り上げ、ありったけの抵抗をすると、やっと飛段は唇を離した。
「ガキには刺激強すぎだよな、フン…!…バーカ」
そう言うと、クックッと笑いクナイをシカマルの首元に、うっすらと血が滲むほど突き付けた。
シカマルは怒りが込み上げてきた。が、飛段が自分を翻弄しようとしているのに乗るほど馬鹿ではない。
(!!!俺の血を舐めた後にこんな嫌がらせしやがって………血?!……そうだ……やつの……血を……!)
シカマルは、飛段の頭を傷ついた左手で引き寄せ、飛段に不馴れなキスを挑んだ。唇を合わせ、舌を入れ、飛段の舌を誘い込むように絡ませてみる。
我ながら顔の火照りは否めなかった。でもこれは行為ではなく作戦なのだ。
「…んん…………?……痛…でぇ!!!!」
飛段がバッとシカマルを引き剥がした。その口許は真っ赤で、滴る血は飛段の暗部の甲冑を朱に染めた。
「…貴様…!」
「…今、てめえの血を舐めたろ……それって自殺行為じゃねえの?」
飛段の舌を噛んだシカマルは、飛段を睨みながら口に残った飛段の血をペッと吐いた。

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