シカマルは疲れた顔で暗部を見た。
この森に入れるのは奈良一族の者だけのはずだが、察するに奈良の者か、そうでないなら火影からの命を帯びているのだろう。

狐面は淡々と連絡事項を伝える。

「……任務遂行ご苦労。君を医療班に診てもらうよう手筈は整えた。
森外れまで行くように。火影の命により、暁の飛段と角都は、これより暗部が始末を預かることとなる。」


「……始末?…こいつはもう始末の必要……」

―――ないっすよ、と言おうとして、シカマルは暗部を睨んだ。

「…まさか……」

回収して解剖するのか。
ここまで完膚なきまでに叩きのめしたのに……。

……アレを……掘り返すというのか。


(アイツは、不死身だぞ。解剖なんてする必要………けど、情報を集めている間にも、軽口叩いてやがるかも知れねえ。)

しかし、綱手の命であるなら、従うしかない。シカマルは急に痛みだした胃を押さえた。

「…もう行け、君はここに居ない方がいい。」

シカマルは暗部の一人に促され、足を引きずりながら、来た道を歩いた。
リク丸が心配そうに連れ添って歩いてきたが、シカマルはリク丸の背を優しくたたき、森に帰るよう合図した。

それから、森外れまで一度も振り返らず飛んだ。


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