雨がポツポツ降りだした。サイとシカマルは演習メニューをこなすうち、二人で連携できる技を模索し始めていた。サイの超獣戯画は数匹描いて敵にアタックさせればかなりのダメージを与えられる。隊長の言う通り採血カプセルを巻物に忍ばせるパターンは最も有効だが、やはり多重の攻撃と影縫いのタイミング、それが一致すればかなり連携の精度は上がる。サイの攻撃に敵が気づいた時、影縫いはすでに対象に最も接近して居、最速で血を採るのが理想だ。サイの獅子が宙に飛び、丸太に跳びかかった瞬間、丸太を影縫いし、ダミーカプセルで採血にかかる。何度となくトライしてみると、遠距離タイプ二人の連携にしてはなかなか相性がいいように思えてきた。問題は敵との距離だけだ。間合いを取らなければ近すぎてはやられてしまう。遠すぎればチャクラを使いすぎる。
「…シカマル……、大丈夫…?この距離……どうかな…」
「……ギリッギリだな……サイ、…。あまり近すぎても危ねえし……かといって届かねえと…、ッ…意味ねえし…」
二人は長い演習に息が上がっていた。
「……超獣で全方向から同時に攻撃できたらいいんだけどね…」
サイはそう言い、少し疲れた顔で笑った。雨粒が容赦なく大きくなって、だんだん体が冷えてきた。
「…そうだな…。…けど、無理するな。暁のツーマンセル相手に……やたら斬り込んでいくのは得策じゃねえ…。」

「その為に俺が居るんじゃねーの?」

ふてぶてしい声が間近で聞こえ、シカマルはギョッとした。いつの間に?こいつは後方で演習してたんじゃねえのか?!隊長は!とサイとシカマルが同時に振り返ると、隊長の面と、靴が片方、さっきまで隊長が居た場所に転がっていて、姿が見えない。サイが、飛段からシカマルを遠ざけようと背の文鎮刀を抜いた刹那、飛段が飛びかかり、倒されたシカマルは反撃に出た。二人は組んづ解れつしながら雨の草原を転がり、滑った拍子にうあっという声と共に滝壺に落ちて行った。
「…シカマルーッ!!」
サイの叫びは、激しくなった雨に掻き消された。

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