(暁を、殺るだけ――。)
シカマルはじっとフーを見つめた。
簡単に殺ると言うが、暁はツーマンセルであっても力は二人分ではない。一人一人が恐ろしく能力の高い抜け忍だ。あいつらと対峙したら、倒すことがどれだけ骨が折れることか分かる。アスマの犠牲なくして飛段は倒せなかった。泣きながら書いたあの報告書を、この隊長も一応目を通したのだろうか。暗部の者だ、任務当事者の行間に潜む悲痛な感情をどこまで理解するつもりなのかは分からない。

カカシと十班と、そして七班でやっと…やっとあの二人を倒したと思ったのに。あれから事態は思わぬ方向に転がり、その結果ここにいる。暁はまだサソリと角都と飛段しか交戦していない。残りの暁は分かっているだけでも、うちはイタチ、干柿鬼鮫、デイダラ。イタチはサスケが追うと見て、カカシやヤマトとナルトたちが隊を組んで探索していると聞いた。
このにわか仕立ての暗部班で連携し、勝てる策とは何なのか。シカマルは思考を止めて、虚ろにフーを見た。


39
[prev] [next]

top

























人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -