木々の間を隊は黙々と飛び続けた。サイが、斜め後ろを飛ぶシカマルをちら、と見た時、飛段に肩を貸した隊長が
「伏せろ!」
と鋭い声を発し、それに皆瞬時に反応した。
次の瞬間、近くの大木が爆発音とともに炎に包まれた。身を翻して散り、それぞれ大樹の影に潜み様子を伺う。
暗い地表から蒼い上空を見ると、白い怪鳥が飛んでいる。その周りで小さな爆発がいくつも起こっているのが見えた。
あの鳥は起爆粘土を操る暁の、デイダラという奴の仕業のようだ。
「…随分派手にやるね。」
サイがそう言うと、すぐ近くの繁みで
「…何も考えちゃいねえんだろ、多分。」
と面倒くさそうにシカマルが応じた。
すると穏やかな声が別の大木の影で聞こえた。
「…抜け忍であり傭兵であり、逸脱した能力を持っている集団、それが暁だ。
目的の為に耐え忍ぶ、という点でも忍だと言える。ただ一点、国の為、里の為に、という美徳は持ち合わせていない。」
フーの声だ。現暗部の者をシカマルは良く知らないが、血の通った暖かさを感じさせる男だと思った。それは声のせいかもしれない。
「…この先にいい隠れ場所になりそうな洞窟がある。思いはいろいろあるだろうが、まずは私情は捨て、任務遂行に励んでくれ。作戦を伝えよう。」
フーはまた、ついてくるように合図をした。

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