その時だった。暗部の面をして外套を着た者が二人、その場に音もなく現れいでたのだ。一人がもう一人に肩を貸している。
今ここに来たということは、そのうちの一人が誰であるか、自ずと分かろうというものだ。肩を貸された方は見るからに調子が悪そうだ。油汗が面の下から首筋に滴るのが見えた。
――良く効いているようだな。だが、錯乱されては遣えなくなる、か――。
ダンゾウはサッと何か印を結んだ。油汗の方がガクッと膝を付きそうになる。
(……!?術式を…解いた?)
シカマルは胡散臭そうにダンゾウの動きを見た。
「…火影様。ダンゾウ様。遅くなりました。」
一礼した男の涼しい声が聞こえた。綱手が頷いて、サイ、シカマル、彼が隊長のフーだ、と言った時には、隊長は面をずらして端正な顔を見せていた。
「…飛段はまだ本調子ではないのですが、出立できます。隊で移動しながら作戦を練り、連携を図っていきます。」
「…では、行け!」
ダンゾウが綱手に遠慮することなく命じた。綱手がダンゾウを睨むのが見なくても分かった。
フーはシカマルとサイに、ついて来い、と目配せした。

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