ダンゾウはシカマルが恭順の意を示すのを待った。シカマルが無言でいると、さらに言葉をこう紡いだ。
「…近ごろの若い奴等は理不尽な任務が自分には回って来ぬと思っておるようだ。
お前らの立っているこの地を、里を、今までどれだけの先達が耐え忍び死守してきたと思うのだ?
……火影の命に背き、里の為の任務を遂行できぬと言うのなら忍の名を語るな!」
それはシカマルの口を開かせるには充分すぎる挑発だった。
シカマルはダンゾウをキッと睨んで、
「…そんなクソ戦略…!今の木ノ葉がするべきことじゃない。」
と言った。
「……誰もお前に戦闘プランを批評しろとは言っておらん。」
シカマルを冷たくあしらい、ダンゾウは続けた。
「…木ノ葉に今も昔もない。少なくともワシの暗部にはな。この戦略ほど暗部で担うのに似つかわしいものはなかろう。飛段の使い道に気づかぬとは、まあ、お前の立場上無理もないがな。もう一人の…角都とかいう暁も使えそうな奴だが、生憎そいつは重症だ…」
綱手に向き直ってダンゾウは、
「木ノ葉の人柱力のおかげで、な。」
と言った。
「…なんだその物言いは!」綱手が低く叫んだ。
一触即発のただならぬ雰囲気に、サイは手の内が冷たい汗で濡れるのを感じた。

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