「…サイ、ご苦労。シカマル、体調は万全か?」
綱手は、シカマルとサイが入ってくると開口一番、そう言った。
「早速だが本題に入る。今の最優先事項である暁討伐だが、全部隊はすでに明け方に出発した。前回の任務は、ツーマンセルの暁に対し4人小隊で動き、生きたままの拘束、捕縛、それが叶わぬ場合抹殺だった。
今回、お前たちにはフォーマンセルの別動隊で行ってもらう。目的は……暁の暗殺だ。」
(…暗殺……。
抹殺も暗殺も殺すことに変わりはないが、暗殺は恐ろしくスキルの必要な任務だ。それなら暗部がいるじゃねえか。サイは根出身だが、俺は――。)
そこまで考えてシカマルはハッとした。
(…暗殺…!…通常部隊に組み込まれるんじゃなく、これは…)

「…お前たち2名は暗殺部隊に組み込まれる。」

綱手は言葉を切り、シカマルとサイを見据えて言った。

「隊長は暗部の者1名。そしてもう1名は、暁の…飛段だ………。
……この者は暗部により蘇生完了、対暁の木ノ葉の手駒とすることが決まった。」

シカマルは綱手を見た。サイはシカマルに並んでいたので彼の顔は見ることはできなかったが、同じく綱手を見つめた。
次の瞬間、綱手が二人に――とりわけシカマルの方に、とサイは分かったが――頭を下げた。と、その時、
「…もうそこらでいいだろう。部下に頭など下げずとも良い、綱手。これは任務だ。」
聞き慣れない声がし、頭から片眼に包帯をした着物の男が姿を現した。サイがとっさに頭を下げ、シカマルはそれでその男が誰か、察しがついた。
「…ダンゾウ…!」
綱手の語気が強まる。
「お前がつい弱腰になるだろうと思うてな。この任務はワシの暗部から出すのだから、同席して構わぬだろう。」
ダンゾウは二人に視線を移して言った。
「飛段が生き返ったと聞いて驚かぬとは、お前が諜報でもしておったのかな、サイ…?まあいい。シカマルと言ったな。飛段のリスク回避を万全に出来、なおかつ即戦力に昇華できるのは、飛段と二度戦ったお前しかおらん。」
シカマルはダンゾウを睨んだ。
(こいつか…!飛段を回収し、生き返らせ、この任務を仕組んだのは…。
思い出した、これは…夢で聞いた声……!おそらく、俺の点滴に術式を入れたのも……!)
その視線をダンゾウは冷めた眼で見、言った。
「……私情は捨ててもらわねばならんが……木ノ葉の脅威、暁を潰す為に、やってくれるな?シカマル。」
33
[prev] [next]

top

























「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -