顔を洗うと、シカマルは忍服に着替え、久々に髪を結った。サイは、身支度をし、シカマルの準備が済むのを待っていたが、ふと、足元の蜘蛛に気づいた。先程放った蜘蛛が、戻ってきたようだ。

巻物を広げてその上に蜘蛛を置くと、それはサーッと墨化し、情報を紙上に描き出した。
そこには、飛段とおぼしきオールバックの男が、荒れて部屋中を滅茶苦茶にしている図が、防犯カメラ程度の解像度で写し出されていた。

その時、シカマルが
「…行けるか?」
とサイに声をかけた。仕度し終わったらしい。サイは巻物をクルクルと巻いて閉じ、シカマルに並び、足早に歩き出した。

火影室が近くなる。サイは前を向いたまま、シカマルに話しかけた。
「…シカマル。やっぱり、あいつは…蜘蛛の情報によれば……その………、生き返っているみたいだ…」
サイが言葉を切ると、シカマルもまた前を向いたまま、
「…そうか…情報サンキューな、サイ………」
と言った。

あいつが生き返ったとしてどうなのだ。攻略法はもう知っている。不死のカラクリの暴かれたあいつなど、未知の強敵ではない。
今は火影の命令を受け、遂行するだけだ。
シカマルは火影室の扉を開けた。

32
[prev] [next]

top

























「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -