明け方、シカマルは遠くで非常警報が鳴っているのを聞いて目が覚めた。何かあったのだろうか。ふと窓際を見ると、サイが立ち上がって同じくそのサイレンを聞いていた。

サイはシカマルが目覚めたのに気づき、おはよう、と言ってから、
「…あれは暗部…いや、正確には根の警報だ。何かあったみたいだね。」
と言った。

シカマルは昨夜の出来事を思い出し、
「…あいつが一悶着起こしたんじゃねえか?」
と苦々しく言った。ったく、ここに影分身で来るような奴だ。本体ならさらに扱い方が厄介になる…。

サイは巻物を広げ、筆と墨を出し、蜘蛛を描いた。何匹も書くのだが、それがまるで本物のようにシカマルには見えた。
自分ではない誰かの、得心のいく忍術を見るのは、いつも、どんな時でも気持ちが高揚する。これを探索に使うのか。なかなかやるな、と思っていると、
「…ほんとは蛇や鼠が素早いんだけど、暗部には見抜かれてしまう恐れがある。小さい蜘蛛なら、どこにでも居そうだし、こいつに運ばせるよ。」

と言い、最後に鳩を二羽描いて、サイは超獣戯画を発動させた。


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