「・・・もう目立つのはやめましょうよ、デイダラ先輩!人柱力を出せって、爆撃して差し出す木ノ葉じゃないですよ?」
「うるせえトビ!!えらく木ノ葉に詳しいフリするじゃねえか。俺の芸術で木ノ葉は震え上がるのだ!どうせサスケ探しに行くついでの挨拶代りだ!うん!」

木ノ葉上空から飛び去りながら、暁のデイダラとトビが相変わらずの様子で喋っている。

「前は木ノ葉に挨拶して片腕失くしちゃったじゃないですか、」
「バカヤロー!!あれは任務で挨拶じゃねえ!クソ写輪眼のせいで・・・もうどいつもこいつも写輪眼の奴らは好きじゃねえ・・・ったく、トビ、なんだ笑ってんのか?喧嘩売ってんのか?!落とすぞコラ!」
「困ったなあ、デイダラ先輩、すぐ目的見失うんだから・・・サスケんとこに行くんでしょう?お付きの俺の気持ちにもなって下さいよ、リーダーに怒られますよ?」
「ふん、お付きか。そりゃそうだな、俺のツーマンセルはサソリの旦那だけだからな、うん。・・・なんだ、反論してこねえのか、トビ、面白くねえな、うん。」
「・・・まあ、俺の芸術論に先輩がついてこれたら、このツーマンセル認めてあげてもいいですけど、」
ね、と言いかけたトビを爆風が襲った。
「うわあああー!勘弁して下さいよ先輩ーーーー!!」
「一回死んで来い、うん!」
デイダラは容赦ないが、何をしても不思議なことにだいたい無事な後輩キャラのトビには特に面白がって仕掛けるところがあった。
トビは一瞬、デイダラの爆撃の煙の下で姿を消したが、2,3秒後にはデイダラの芸術の片翼にかじりついていた。
「ひどいっすよ、先輩!・・・ほら、木ノ葉が気づいちゃった!・・・何の陽動でもないのに痛くない腹を探られるじゃないですか?」
「それでいいんだよ、何の関係もない爆撃を深読みして迷走すりゃいいんだ!それこそが俺の作戦だ!」
「そうか、すごいですね先輩!そこまで考えているなんて脱帽です!」
「脱帽か、そりゃいい…帽子のかわりにその面をいつか取りたくなるだろうよ、俺と組んでるとな、うん!」

トビは笑った。が、面を取るのは無いな、とデイダラを眺めて思った。
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