サイは、シカマルの様子をじっと観察していたが、先程の影分身のことが気になっているというのはよく分かった。飛段という男はやはり復活させられている、と見た方がいいかも知れない。真実を把握する為に、鼠を放って偵察してもいいが、ダンゾウ様にはすぐ見破られてしまうだろう。

裏暗部にも医療班がいる。ご法度となっている禁術も、ダンゾウ様が良しとすれば研究・開発を惜しまない。
加えてダンゾウ様は体を維持するために、治療を定期的に受けなければいけない、とあって、医療部隊は精鋭が集められている。ダンゾウ様のお側に跪くと畏怖の念が湧いてくるのは、タカ派の頂点に君臨する忍だからか、それとも生身の人間としての熱量をあまり感じないからなのか。いずれにしても裏ではあの方こそが掟なのだから、根の者が畏敬の念を持つのは当たり前か。

ただ、人には暖かい気持ちや熱い気持ちや、繋がりがあることを、木ノ葉のナルトたちと任務を共にすることでサイは思い出し、再認識した。それは、暗部時代には消し去ろうとしていたもの。ダンゾウ様の口からは聞いたことのないもの。けれど今の自分には有るものだ。

シカマルがまた眠りについたのを確認しながら、サイはそんなことを思っていた。


その頃、根では。
「そうか…見破られたか。まあいい。…ご苦労。」
使いの者の報告にダンゾウは答え、次の指示を待つように言い、それから、腹心のフーに、
「時に、飛段の方は進んでいるか? 」
と聞いた。

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