カカシとヤマトはくまなく病室を調べた。

(……点滴……!)

二人は直ぐに反応した。カカシが写輪眼で見ると、細かい術式が点滴に流し込まれている。

「やはりな。シカマル、点滴はいつから?」
「夕飯の後だと思うんすけど…俺、食えなかったらしくて…。
それから夢ばかり…誰かの声が聞こえる、幻術のような夢ばかり見るんすよ。」

「僕がシカマルをここに連れてきて、一旦ナルトの所に行き、帰ってきた時にはもう点滴はつけられていました。……すみません…」
カカシとヤマトの視線が点滴に向けられているのを見て、サイは謝った。すでに仕込まれていること、それに気付かなかった自分が情けない。

「この薬は……?」ヤマトがサイの肩をポンと叩いて聞いた。
「医師には点滴は明日まで、薬は退院後毎朝夕に、と指示されました。」サイは聞いた通りを言った。

「飲む必要はないよ。今見たところ、点滴も薬も、サイが綱手様に指令を受ける前に、暗部が仕込んだものばかりだ。」
カカシが言った。

シカマルは合点がいった。それで支配される夢を見るのだ。そして分かった。どうやら暗部は、俺を従わせたい、ということも。だが、何に?

「…シカマル、荒療治だがいいか?写輪眼で見つつ、なるべく短時間、低電流でやる。」
カカシが千鳥を発動して、聞いた。
「…はい。」かなり痺れそうだが、体の中の術式を破壊するにはそれしかないのだろう。

病室が、蒼い光に包まれた。



その頃、根では。

「……見つけたぞ……!勝手な行動は慎め…と言ったところで、聞くお前ではないな。」

白衣の飛段は、根の者たちに引っ立てられ、ダンゾウの足元にひれ伏させられていた。



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