サイは、一楽でラーメンを食べ終わると、右手の使えないナルトにラーメンを食べさせてやり、またナルトの不服を買っていたが、火影からの使者が来たので、箸をサクラに渡し、急いで病院に飛んだ。

(シカマルをダンゾウ様から守れ、だって?暗部に術をかけられぬよう予防線を張れ?
この僕に、こんな役が回って来ようとはね。一体暗部が、シカマルに何をしようと言うんだろう?)

部屋に着くと、シカマルは眠っているらしかった。誰かが来た形跡は、無いようだ。
だが、油断は禁物だ。暗闇から音もなくスーッと現れ、気配なくターゲットの寝首を掻くことなど暗部にとっては造作もないことだ。
しかし、秘伝忍術影遣いの中忍一人、暗部が狙う意味などあるのだろうか。
……いや、意味があるのだ、きっと。だとしたら暗部は、絶対術をかけにくる。

サイの神経は暗部モードで冴え渡った。



シカマルは、よく分からない森の中を歩いていた。体の自由が効かない。
誰かの声が響いてくるが、聞いたことのない声だった。
それが、強く、弱く、何かを語りかけてくる。
従わなければならない、そんな気が凄くする。
何故ならば抗おうとすれば、その声が何かしら体の自由を奪おうとするからだ。
このまま真っ直ぐ進め、と言われているのか。真っ直ぐなら歩ける。
だが、引き返そうとするととたんに体が動かなくなる。仕方なく進むしかなかった。
子供の時から慣れ親しんだ森とは違う。木ノ葉であって木ノ葉でないような森の暗さと、ざわざわと吹きすさぶ風がシカマルを不安にさせた。


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