綱手は怒っていた。

ダンゾウとご意見番に、《暁の二人を暗部管轄に!》と押し切られたことも腹がたつが、あの三人に忍道まで説かれるとは思っていなかった。

――暗部とは何か、お忘れじゃないかえ、だと!?
暗部とは暗殺部隊じゃろ、うってつけの二体が手に入ったのに使わぬ手はない、だと――ッ!!?
そんなもの!ええい、畜生!木ノ葉創設の頃は、それこそ暗部の暗躍で忍里の均衡は保たれていた…だと!?
お前ら、創設の頃は全員ヒヨッコだっただろうが!………私など存在もしないが……それはいい!……だが、暁を利用するなどと、夢物語もいいところだ!……大体、大蛇丸にも及ばないのに、上手く蘇生できる保証などないではないか!そんなことに金と時間を費やす暇があったら、他の暁を叩くほうが効率的だとなぜ分からんのだ?!くそっ!!
………自来也…!!お前はいつも肝心な時におらん!!お前が居たら、要らぬ加勢でもしてくれるだろうに…!!

そして今しがた、ダンゾウよりの書状が届いたのだった。

飛段と角都は、蘇生次第暗部――建前上、火影直轄暗殺部隊だが、事実上は木ノ葉上層部直轄の根の者で構成された汚れ仕事専門、いわゆる裏暗殺部隊――に配属させると決定した、とダンゾウが勝手に決めた書状だ。
これは木ノ葉の将来を鑑みた上のことで、火影が人柱力を暁討伐に駆り出すのは、正気の沙汰ではない、むしろ、この蘇生した者たちを暁討伐にあてるべきである、と書かれてある。

奴等の懸念も分かる。だが、あいつらは、ナルトの本当の力を、信じようとはしない。ナルトとの距離がありすぎて信じてみたくなる気持ちにさせられていない。それだから、議論がいつも平行線を辿るのだ。

あいつの側にいたら、誰もが希望を持ち始めるというのに…!

荒れ狂う気持ちを押さえに押さえ、しかし収まらないのでその巻物を掴んで、バーンと壁に投げた所へ、カカシとヤマトが入室して来て、唸りを上げて飛ぶ巻物をキャッチした。


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