暗闇の中でドサッ、と寝袋ごと投げ出されたシカマルは、頭に鈍痛を覚えてぼんやりと目覚めた。体はまだ言うことを効かない。

(…!……な、に……)

寝袋に手が差し入れられ、そのうち乱暴に開けられた。何者かが襲ってきたのは確かだ。
手首に仕込んでいた採血のカプセルしか武器となるものがない。シカマルが左手首に右手を伸ばそうとすると、両腕を掴まれどうしてもカプセルが取れない。焦るシカマルの胸のあたりが開かれたのが分かったが、体が動かない。

相手は体をまさぐり、シカマルが声をあげ抵抗すると、口をふさぎ、喉を絞めにかかった。咳き込んだシカマルの力がまだ弱いのを見て、いきなり乳首のあたりを舐め回すと、甘噛みし吸い上げてきた。

「……ハァ…あぁ…」

自分の声を、意に反して漏らしたことに驚き、シカマルはさらに抵抗しようとした。が、回復していない体は動きが鈍かった。
灯りのない森の中で、抵抗できずに誰か分からない者に体を弄ばれる。
ただ、この息づかいは、どこかで聞いたことがあるような、、、
体が重く、頭だけ覚醒しているシカマルが混乱している間に、滑らかな舌が唇を割って差し入れられた。

(………ひ……?!)

それを知っている感覚が、シカマルを凍りつかせる。
ゾクリと背筋をざわめかせ下半身に伝わる欲の熱、執拗に舌を吸ってくるその攻め方、乳首を転がす指と、シカマルの抗う理性を逆撫でし愛撫する手。動けない自分の中で、確実に意に反して欲情し、たぎる体の一部。

シカマルは懇願した。

「……ひだん……、や………めて………………」

飛段は唇を放し、肩で息をしたが、言った。

「…嫌だ」

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