森の外れに近い所でサイは、あたりを警戒しながら廃屋の入り口に立ち、二人に入るよう合図した。
先に中に入った飛段は、壊れた窓から、廃屋の裏に川があるのを見つけ、とりあえず川行ってくるわ、と言い捨てて歩いていった。

サイは、了解、交代ってことで、と言い、シカマルに

「…あいつが終わったら行こう」

と言った。


水浴びをするには寒すぎて、飛段は急いで体を洗った。
刺された傷痕は癒えてきているが、貫かれた部分には、まだ、……入っているような感じがする。アレをくわえこんだままのような…水の冷たさと相まって普通なら萎縮してしまいそうなところなのに、逆に奮い起ってくる。ほとほと、好き者で異常だと思った。

(悪いかよ!)

飛段は昔を、湯隠れを捨て、暁に属するまでの間を思い出した。
忍を呪い殺し邪神様と繋がった直後、陣形に転がったまま動けずにいるのをいいことに、勘違いした敵方の奴が、飛段の体を求めてくることなど日常茶飯事だった。
理不尽な攻めにも悦んでしまうアブノーマルな自分のことは良く分かっていたし、多少性欲に任せて相手をしてやれば、数分後には、そいつを思うままに凌辱し、呪い殺せるのだから一石二鳥だ。

暁に入り、すぐ角都と組んで初めて敵を呪い殺した時、こいつも同じことをするかもしれないと思ったが、奴は手を出さなかった。
逆に、変な声を出したり動けないでいる飛段を冷ややかに見つめ、時間がかかりすぎだとか、文句をたれる。暁の金策を一手に引き受け、賞金首狩りを半生き甲斐にしているように見える。男惚れするような体格と風貌、継ぎはぎのラインすらセクシーにみえるくせに、ひとたび闘うと滅法強い。
あらゆる性質変化に対応できる角都の戦いぶりは凄く、連戦連勝、向かうところ敵なしだった。飛段が、死なないのをいいことにむちゃくちゃに突っ込んでいくのを、あまりにも単純な戦法だといい、血を採れば終わりなのだから、もっとそれまでの戦いを楽しめ、雑魚ばかり殺してると強くなれんぞ、と苦言を呈するくらいだった。

(…早く暁殺って、角都に会いてえなー、…)

冷たい川の中で、飛段は凍えながらそう思った。
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