「…アッ…ぁ……あ!、……」

シカマルと飛段が繋がった処から、白濁した液が内股を濡らしていく。
まだ、離さない。離したくない。

「……ッ……ハ……あ……ああッ」

飛段は色々貫かれ扱かれて苦しそうな息使いをしていたが、その声を間近で聞くシカマルはまた、自身が猛り狂うのを感じた。

(完全に狂ってる……!)

隅の隅に追いやられた理性が叫ぶ。しかし、抗えない。
影は飛段を執拗に扱き続け、飛段はあまりの快感にシカマルに貫かれたまま腰を振り、影の責めに喘ぎ続けたあと、壮絶に果てた。
その間シカマルは、感覚がリンクし、目眩がするほどの絶頂をもう一度迎え、果てた。

飛段が下から腕を伸ばし、シカマルの顔を引き寄せた。

二人の目が合う。

憎しみと、おぞましさと、絶望と、そして何故か…………それが愛しい、と思った瞬間、額に痛みが走る。

「「ぐああっ!」」

額が、燃えるようだ。二人は痛さにバッと体を離し、額を押さえた。影術が二人を支え、向き合わせる。
シカマルは次に目にした事象に驚愕した。

くっきりと、飛段の額に紅色の複雑な線が刻まれてゆく。自分の額もチリチリと焼けるように痛む。
シカマルは飛段の額から目が離せなかったが、飛段もシカマルの額を見て何か叫んでいる。


((こ、これは………呪印!?))

急に影術が弛緩してサアッと退き、二人は支えを失ってドォッと地面に倒れた。
シカマルは段々自分が何をしたかが分かって、絶望的な気持ちがザワザワと胸に広がってきた。

(……こんなこと、俺が望んでする事じゃねえ………
また、誰かに操られでもしたのか………
…まさかこれが……『禁術』………なのか?
………でも、俺は発動させた覚えはない……断じて、飛段とこんな、……)

見上げると月が見えた。

アスマの葬式の夜半の月を、泣き腫らした目で見たのを思い出した。
今宵の月は無表情で、恍惚とした時間を共有した二人を冷ややかに見下ろしていた。

シカマルは、腰が蕩けてしびれたようになった体を、ノロノロと動かし、座り込んだ。
疑問の答えは出ない。分析をやめて、このまま何処かに消えてしまいたい。

飛段は相変わらず延びていたが、額を触りながら起き上がった。

「………痛ってえ……。お前………マジでパねえわ………ハ……ハハ…」

それから阿呆のようにシカマルの額に刻まれた傷のようなものを見つめる飛段と、決して視線を合わせないシカマルの前に、スッと人影が現れた。

サイだった。

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