「…セッティングミスったな、トビ!…てめえ不発じゃねえか!何やってんだ!うん!」

ボコッと、ドラゴンの爆発地点からそう遠くない礫の中から顔を出してデイダラはトビに怒鳴った。C2ドラゴンが爆発する前に土遁で潜ったので自爆に巻き込まれずに済んだらしい。

「ここでセッティングなんかしてたらすぐ、木の葉に嗅ぎつかれちゃいますよ?
……先輩、土だらけでもぅ…!眼が見えなくなるじゃないすか!土遁 土竜隠れとかやめて下さいよ!」

ボコッと、トビはデイダラの反対側に顔を出すと負けずに文句を言った。そして、面の右目を閉じ、面に入った土を出すふりをして上空の大鷲を確認する。

(暗部か……。
暁を出し抜いたつもりか、ナメた真似しやがって。
飛段は諸刃の剣だと思い知らせてやらなきゃ分からないのか。相当切羽詰まってるな。)

「飛段に負けねえぞ、俺は!絶対勝つ!!うん!」

デイダラの喚きが煩わしいトビは、ハイハイハイ、でも目的を忘れるなってリーダー言ってましたよ、と言いつつ、違うことを考えていた。

(飛段を操るまであと少しなんだがな……!
ちょっと木の葉に居すぎた、サスケを探しに行かなくては。お遊びは終いだ。)

「それにしても………っとに……!…土だらけ瓦礫まみれにしやがって…トビ、芸術家はもっとクールに…!」
「分かりましたよ先輩!尾獣と、サスケ探しに行くんじゃないんですか?」

トビが促すと、途端にデイダラがギロッと睨んで言った。

「…うちは、なー!ムカつく奴等だ。」

デイダラはマントをバッとめくり、ポーチに左手を突っ込むと粘土を噛ませ、何かを掌で造った。そしてそれを大鷲めがけて放り投げ、

「…そんじゃ、行くぜ、トビ!」

と言った。トビは、すっと瞳術を止め、デイダラと煙に消えた。







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