(…やったか…!)

ドラゴンの爆発は、上空から確認うしても広範囲に渡っていた。 たとえ回避しようとしても巻き込まれるレベルだ。炎が上がり、粉塵と煙がモウモウとたち、確実にやったかどうかは肉眼では確認できない。

フーは、上空から鳥を探した。烏が一羽、飛んでいる。
(…いた!…いける、)

サイに合図を送ると、フーは烏に心転身して偵察を始めた。

爆発で地面が裂けたと見られる辺りに黒地に赤い雲のマントが風にはためいている。
起爆粘土を咀嚼していた片手が、だらんと舌を出して投げ出されていた。

(やった……!)

フーが、一人は仕留めた、と確信し戻ろうとした刹那、金縛りに合ったかのように烏の中に閉じ込められたのが分かった。
簡単に移動できたはずの意識は、厚い壁に阻まれて戻れない。

フーはダメもとで試みた。
(…心転身、解!……!)

ーー解けない…!ーー

念じても景色は変わらない。烏の目から見た景色しか見えない。
意識の中で何かの視線を感じて振り返ると、赤い眼に見つめられていた。

『…、!…写輪眼!?………謀られた……!』

水の中のように自分の声がうまく聞こえない。
(暁の新手か?それとも、ここに写輪眼の者がいたのか?
………うちはの、者…?!)
フーは退路を探したが、ますます壁は厚くなる。意識は乗っ取っても、烏の動きは何者かに支配されているようだ。
(…この烏……ただの烏じゃない………!写輪眼で操られている………罠だ、…!)

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