一方、空から飛段を追って捜索していた刑事だが――。

無線で何やら指示を出されているらしい。
終わると、刑事は鹿丸に詫びた。

「…本部の追跡によると、盗まれたバイクを追跡していたところ、衛星の映像でバイクに乗って下山してくる二人の姿が確認されたようで、多分運転は飛段さんに間違いないようです。

ということは、人質を救出出来たのだと推測されます。」

ただ、飛段の形跡が途絶えた辺りで大爆発が起き、本部からの指令で、その件の担当と合同で捜査することになったようだ。その為、近いところで鹿丸を降ろし、自宅まで送らせ、自分は捜査に合流する という。

「…じゃあ、今日の正午、というのは…」鹿丸は安堵の表情を見せながら聞いた。

「…はい、爆破された場所付近の映像で二人が確認されたので、そこが脅迫の場所である可能性は大です。
バイクは乗り捨てられていて、そこからどうやってどこへ行ったか、今探索中です。」

相変わらず飛段は携帯はオフにしているようだ、と刑事は付け加え、脅迫事件は一旦幕を閉じた。




その頃。
人気のない所でタクシーを降り、飛段と角都はある所に辿り着いた。




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