警察署の一室に通された鹿丸に、刑事は会釈して、ご協力ありがとうございます、と言った。
映画やドラマで見たような部屋だが、仰々しい○○捜査本部、などという看板はなく、地味な役所、といった感じだ。

「まず、」と刑事は口を切った。
「あのホテルで撃たれた時のことは伺いました。
その後のことで、貴方が知っていることを聞かせて下さい。」

鹿丸は刑事の目を見て、頷いた。

「…病院で飛段が狙われたのは、ちょうど俺が見舞いに行った時で…後ろを向いていて俺は気がつかなかったので、飛段に倒されて…二人とも撃たれはしませんでしたけど。

その時、床に落ちていた手紙が、どうも脅迫状のような内容だったので、飛段に警察に話すように言ったんですが…」

「内容は覚えていますか?」

「80000000,という数字と、明日の日付と正午という字。
相方の命の値段、と書いてありました。

ただ、地図が載っていたのですが、はっきり分からない場所でした。」

そこへ、部下が来て刑事に何かを告げた。

「病院から飛段を連れ去った際に使われたと見られる車が側道でガードレールに激突していたそうです。タイヤ跡が一致しました。中で二人の男が即死しているとの情報が入りました。」

刑事の言葉に、鹿丸は血の気が引いた。




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