昼食を食べ終わって、ベッドに寝そべった飛段は、天井を見て考えた。


角都を捕らえた奴等の目的は、金だ。

しかし、金と引き換えに本当に角都を返してくれるのか。

その辺りが、一番飛段が不信感を持つ所だった。

自分が居たころの闇社会では、狩る者達は節操がなかった。
有るものは全てかっさらうからだ。

二人も、借金を返済するのに、手っ取り早く金が稼げる、と入った世界で、最初は面白かったが、理不尽な賭け事でスッたり、獲物を取られたりするうち、徐々に人間不信に陥った。

挙げ句、飛段にちょっかいを出そうとした輩に腹を立てた角都が、まだこっちのほうがいい、とホストの仕事に就かせたのだった。


金ならなんとかなる、…と言いたいところだが、金なんてない。

あったら角都と、とうに高飛びしている。



とにかく、ここから抜け出し、銃を取りに家に行かなければ。

飛段は、身支度をした。



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