「…ぐっ、…何す…!」

鹿丸は飛段の足で床に伏せさせられた。

頭上をスタンドが槍のように飛んでいく。

閉められたドアにそれがぶつかり、派手な音がした。点滴の管が千切れて、液体を飛び散らせている。病室はめちゃくちゃだ。

廊下を走り去る足音が床を通して伝わってくる。

犯人と行き交った人の悲鳴らしい声も聞こえる。

病院のスタッフや警備員は今ごろ大騒ぎだろう。


ひとしきりして、静けさが戻ってくると、鹿丸が口火を切った。


「……ひ、飛…飛段…?」


「……もう、いいぜ…」飛段の声は静かだった。



鹿丸は足が退いたので恐る恐る飛段を見上げた。


ーーー弾を弾いて、スタンドを投げた、ってのか?!

お前、何者!?……どういう動体視力してんだよ!―――


立ち上がろうとして、鹿丸は床に封筒と一枚の紙が落ちているのを見つけた。


拾うと、紙にある8桁の数字、日付、そして地図が、なんとはなしに目に入る。




封筒に、小さな印がついている。

その印には、見覚えがあった。

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