足音が遠ざかり、一人になると、飛段は携帯をいじった。
何か角都から連絡がないか。
次の瞬間、飛段はポン、と携帯を放り投げて、あー!!と叫んだ。
点滴を引きちぎり、邪魔くさい管をぶった切ってやろうかと思った。
充 電 切 れ だ っ た の だ 。
おまけに充電器は家だ。
(だ………だっせー!!)
投げた携帯が見舞いの品の一つにあたり、落ちた。
差し出し人が書いていないその封筒を、必死に手を伸ばして取ると、隅に何か印のようなものがある。
それを見ると、飛段の頬は紅潮した。
その印は、角都がいつもしている指環の文字だった。
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